九月の四方山話(はちがつのよもやまばなし)
中秋の8月15日も過ぎ、9月に入ると9月9日は重陽(ちょうよう)といい、高い所に登って故郷を思い、親を思い、菊酒を飲み、花(ホワガオ、飾りカステラ)を食べることが重要な儀式であった様です。
唐・宋の時代にきわめて盛んであったというのもすごく粋な時代でしたね。秋は季節も過ごしやすく"遊賞"といい、山や河に遊んで風景を眺め、それぞれの思いにふけるようです。紅葉狩りには、まだ早いようですが心をのびのびとさせ、飲食を共に野外で会食を楽しんだ重陽の節句なのですね。
特に花(ホワガオ)は、日本はもとより中国でも現在の月餅のような存在感はないのですが、麺(ミェヌ 小麦粉)、江米(ヂァンミー 糯米(もちごめ))、黄米(ホワンミー 粟(あわ))を搗いて蒸して作りニ層、三層のものがあり美味な果物をその間に挟み、表面には木の実や栗、ざくろなどをちりばめ、菊の花を挿してきれいに飾ったものを嫁の実家や友人に送るというもので、(ガオ)と高(ガオ)は同音となり、これらは皆、吉祥の寓意を示しています。それにしても今に通じるしゃれたお菓子ですね。今風に作ってみたくなりませんか。